scene;001 男爵 [お話]
久々の更新です。(^_^;
以前、「ぽざくら」でやらせて貰っていた(勝手にやってた、とも云う…(^_^; )「『男爵』のお話」を此方でも始めていこうかと思います。
Scene;001 「男爵」
…彼は『男爵』である。ただ、彼が『王』から爵位を賜ったのかどうかを記したものを見たこともないし、その経緯を知るものにも未だ会ったことがない。
一度その真偽を問い糾したいものだが、会う度に見るからに不機嫌そうな顔をしているし事実短気で癇癪持ち、何かあるとすぐに剣を抜くのである。物騒で迂闊なことを口にはできない。事あるごとに後始末をして廻る従者『Wendy』に面倒を掛けたくもないし…
ただ、彼の剣の腕は確かなもので、そこを活かして所謂『剣客』を生業としているのであるが、果たして『男爵』たるものがそのような稼業に就くものなのか?とも思ったり…
…ともかく、彼自身がそう名乗っているのだから闇雲に否定することもないのであろう。
彼がそう云うのだから、彼は『男爵』なのである。